ここ数日、冷たい雨の日が続いている千葉です。
秋雨前線による雨、一雨ごとに気温が下がり、秋から冬に移行していくのを感じます
季節の変わり目以外にもこの数年は、「ゲリラ豪雨」と称した、ピンポイントで非常に多く雨が降る現象が見られるようになりましたね。
テレビのニュースで、家や車が水に浸かったり流されたりしている映像を見るたびに、心が痛くなります。
さて、今回は設計さんから届いた家づくりコラムをお伝えします。
雨が多く降る日本では、古来から「雨をどうしのぐか」雨との関係を考慮しながら作られてきました。
勾配のある屋根も、雨樋も、深い軒も。
家は本来「人を守るために存在するもの」だと思います。
「命を守る場所」
そうあるために、災害の多い最近の日本で、何を考えて家づくりをしたら良いのか、ヒントになれば幸いです。
■はじめに
地震や火災、台風や竜巻など災害の種類は様々ですが、その中でもここ数年で多く聞くようになったのは集中豪雨(ゲリラ豪雨)による洪水や土砂崩れによる被害です。
出典:気象庁ホームページ
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/heavyraintrend.html
「[アメダス]1時間降水量50ミリ以上の年間観測回数」
1時間降水量50mm以上のアメダス1,000地点あたりの年間発生回数は、統計期間(1976~2016年)では10年あたり約20回の割合で増加しています。
また、最近10年間(2007~2016年)の平均年間発生回数(232.1回)は、統計期間の最初の10年間(1976~1985 年)の平均年間発生回数(173.8回)と比べて約1.3倍に増加しています。
毎年少しずつ発生平均回数が増えていくと同時に被害を受けた住宅も増えており、だんだん他人事ではなくなってきています。
今回は洪水などの被害を防ぐ住宅の“水害対策”について紹介します。
■ゲリラ豪雨が起こる原因
まずはゲリラ豪雨の原因について、簡単に説明します。
原因については、紹介しているサイトが様々ありますが、主な原因としてあげられているのが
①地面のアスファルト化
②車やエアコンによる排気
③植物や水面の減少
です。
これによって地面付近に熱が溜まって上昇気流となり、積乱雲やゲリラ豪雨の発生につながると考えられていますが、実際はっきりとした理由は分かっていないようです。
出典:国土交通省ホームページ
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_mn_000016.html
「ヒートアイランド対策」
■主な水害対策
今どこで起きるか分からない水害に対して住宅にはどのような対策ができるでしょうか。
洪水対策として代表的な対策は2つあります。
1つ目は「盛り土」です。
「盛り土」とは家を建てる敷地内に土を運んできて人工的に敷地全体の高さを上げてしまう方法です。
水はもちろん高いところから低いところへ流れていくので、敷地の高さを上げてしまえば家を守れるわけです。
2つ目は「高基礎」です。
家を建てる時には最初に基礎を作ります。
その基礎を一般の高さよりも高くする事で同時に床の高さも上がります。
これにより急激に被害内容が増加する“床上浸水”を防ぐことができます。
また「日経ホームビルダー」という住宅雑誌の記事には、ある地域において床高を上げた場合に水害被害額をどの程度低減できるかシミュレーションを行った内容が載っていました。
10年から1000年に1度の確立までの降雨量9パターンを用意し、それぞれ、対策無し・基礎高0.5増・1m増の3パターン、計27パターンの年間被害額を推定した結果、ある地域では床高を上げた場合の年間被害額期待値が93%減少したそうです。
出典:国土交通省ホームページ
https://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/bousai/saigai/kiroku/suigai/suigai_4-1-3.html
「水害対策を考える」
■洪水対策のメリット・デメリット
住宅の洪水対策は工事の規模が大きいので費用が大きい、引き渡しまでの期間が長くかかってしまう可能性があるなど、デメリットもあります。
ですが、実際に被害に遭って“床下浸水”になってしまった場合、床をはがして床下に入り込んだゴミ・土砂を取り除く作業や、清掃・乾燥・消毒など大掛かりな補修を行わなければ床下が腐ってしまい住み続ける事が不可能になってしまいます。
この時、被害状況によっては補修費用に数百万円かかってしまうケースもあるようです。
自分の家がそんな被害に遭う確率なんて…と思ってしまいがちですが“もしも”の時の安心・安全を想像して手間や時間、お金をかける部分を考えていくのも大切です。
また洪水対策を行う事でメリットになる部分もあります。
高基礎にした場合、床下に広いスペースができる為、床下の排気がしやすく、地面からの湿気が床まで届きにくくなるので、水分による材料の劣化を防ぐことができます。
湿気が届きにくいという事は通常の基礎高の家より“防カビ効果”もあるということです。
■さらに
もう1つ洪水対策として行えることがあります。
それは“ハザードマップ”を活用することです。
ハザードマップってどんなものか見たことありますか?
国土交通省によると、ハザードマップとは一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」とされています。
■風水害に備える :洪水ハザードマップ
■火山噴火に備える :火山防災マップ
■地震災害に備える :地震防災マップ
■液状化災害に備える:液状化被害想定図
■津波・高潮に備える:津波災害予測図
自分が家を建てる地域を国土交通省のホームページで検索し上記の5項目について調べる事ができます。今から家を建てる方や、土地をお探し中の方は1度、敷地の災害状況について調べることもおススメします。
■まとめ
今回は“水害”に対して強い家にするための方法をご紹介しました。
ですが、水害以外にも様々な災害があり、1つ1つの災害に対して住宅の対策もあります。
家を建てよう!と考えた時に、家のどの部分にお金をかけていくか家族で考えてみるとよいでしょう。
1つ1つしっかり考えて行くことで愛着も家族の安心・安全も倍になると思います。
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